解体工事を頼むとき、その会社が県に登録しているかどうかは、誰でも無料で確かめられます。福岡県が業者の名簿を公開しているからです。
当サイトはこの名簿(令和7年3月末現在・447社)を1件ずつ書き起こして数えました。すると、447社のうち110社(4社に1社)は、登録の有効期間がすでに切れていました。この記事では、その数字と、自分が頼もうとしている会社を確かめる方法をまとめます。
まず、解体工事に必要な資格は2つある
解体工事を請け負うには、工事の金額によって必要なものが変わります。
| 請負金額 | 必要なもの | 確かめる場所 |
|---|---|---|
| 500万円未満 | 解体工事業の登録(5年ごとに更新) | 福岡県の「解体工事業者一覧」 |
| 500万円以上 | 建設業許可(解体工事業) | 国土交通省の検索システム |
どちらか一方を持っていれば、法律上は工事ができます。建設業許可を持っている会社は、登録のほうは要りません。ですので「県の名簿に載っていない=もぐり」ではありません。その場合は国土交通省のほうで確かめます。
447社を数えて分かったこと
1. 110社は登録の期限が切れていた
登録は5年ごとの更新で、名簿には1社ずつ有効期間の満了日が載っています。そこを数えると、こうなりました。
| 社数 | |
|---|---|
| 名簿に載っている会社 | 447社 |
| 登録が有効な会社 | 337社 |
| 満了日を過ぎている会社 | 110社(24.6%) |
ただし、これは名簿が令和7年3月末時点のものだからでもあります。そのあと更新した会社は、次の名簿が出れば有効に戻ります。期限切れ=廃業ではありません。それでも、依頼する側から見れば「いま有効かどうか」は確かめる価値があります。
当サイトは、満了日を過ぎている会社は掲載していません。掲載したあとに期限が来た会社も、毎日自動で確かめて一覧から下げています(掲載の基準)。
2. 半数が福岡市と北九州市に集まっている
営業所が福岡県内にあるのは381社。そのうち福岡市に108社、北九州市に94社で、この2市だけで県内の53%を占めます。市区町村別の上位はこうなりました。
| 市区町村 | 名簿の社数 | うち登録が有効 |
|---|---|---|
| 福岡市東区 | 34社 | 28社 |
| 北九州市小倉北区 | 29社 | 21社 |
| 久留米市 | 26社 | 18社 |
| 福岡市博多区 | 20社 | 15社 |
| 北九州市八幡西区 | 20社 | 15社 |
| 北九州市小倉南区 | 18社 | 16社 |
| 福岡市南区 | 16社 | 15社 |
| 福岡市早良区 | 15社 | 11社 |
一方で、豊前市・宮若市・築上郡には、名簿に営業所が1社もありません。こうした地域では近隣の市から来ることになり、重機やダンプの回送にかかる費用が見積もりに乗ります。エリアごとの社数はエリアから探すでまとめています。
3. 県外の会社も66社載っている
名簿の447社のうち66社は、営業所が福岡県外です。内訳は佐賀県33社・熊本県15社・大分県6社・山口県4社ほか。県境をまたいで工事をする会社が、福岡県にも登録しているということです。
4. 社名に「解体」が入るのは11社だけ
名簿447社のうち、社名に「解体」の文字が入るのは11社。残りは「工業」「建設」「産業」「商会」といった社名で、解体屋かどうかは名前からは分かりません。
ちなみに、もう一方の建設業許可(解体工事業)のほうは福岡県内で3,539社ありますが、そのうち社名に「解体」が入るのはたった3社でした。こちらは土木・建築の建設会社が、業種の1つとして解体を持っているものが大半です。名簿の2つは、ほとんど別の集団です(重なりは41社)。
自分が頼む会社を確かめる3つの手順
手順1:県の名簿で登録番号と満了日を見る
福岡県のサイトで「解体工事業者登録」のページを開くと、登録している業者の一覧がPDFで公開されています。会社名・所在地・電話番号・代表者名・有効期間の満了日まで載っています。
見積書やチラシに書いてある登録番号と、名簿の番号・会社名・所在地が合っているかを見てください。
手順2:建設業許可なら国土交通省で引く
500万円以上の工事や、大きな会社の場合は建設業許可のほうです。国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で、会社名や許可番号から引けます。解体工事業の許可を持っているか(「解」の業種があるか)を見てください。
手順3:当サイトの業者ページで見る
当サイトでは、この2つを1社ずつ照合したうえで、登録番号・有効期限・建設業許可の番号を業者ページに並べて出しています。福岡県の解体業者一覧から探せます。確かめ方の詳しい手順は調査方法に書いています。
登録の有無だけでは分からないこと
登録や許可は「工事をしてよい」という最低限の線で、工事の質や値段を保証するものではありません。実際に見積もりを取るときは、あわせてこのあたりを確かめてください。
- 自社で施工するか、下請けに出すか(中間マージンの有無に直結します)
- 産業廃棄物の収集運搬業の許可があるか(無ければ運搬は別の業者になり、その費用が乗ります)
- 石綿(アスベスト)の事前調査を誰がやるか。2022年4月から、解体前の調査と報告がすべての建物で義務になりました
- 損害賠償保険に入っているか(隣家の壁や塀、電線を傷つけたときに効きます)
- 建設リサイクル法の届出(床面積80平方メートル以上)を代行してもらえるか
- 家に残った家財や家電を一緒に処分してもらえるか
これらの項目は、当サイトが1社ずつ確かめて業者ページに載せています。空欄のところは「確かめられていない」という意味で、推測では埋めていません。
解体工事業の登録と建設業許可の違い、福岡県での登録の要件・手続きは解体工事業の登録とはにまとめています。
業者を選ぶときに確かめること全体は、解体業者の選び方にまとめています。
数字の出どころ:福岡県「解体工事業者一覧(令和7年3月末現在)」447社を当サイトが書き起こして集計(2026年9月20日)。建設業許可の社数は国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で福岡県・解体工事業を全件取得して集計(2026年9月21日)。期限切れの判定は2026年9月23日時点。