解体工事の現場には、法律で掲示が義務づけられた看板(標識)があります。近所の人にとっては「ちゃんとした業者が工事しているか」を確かめる手がかりで、施主にとっては頼んだ業者が決まりを守っているかの目安になります。この記事では、法令の条文をもとに、解体工事の現場に掲げる看板の種類・書く中身・大きさ、看板がないときの相談先をまとめます。
解体の現場に掲げる看板は3種類
| 看板 | 誰が掲げるか | 書く中身 | 大きさ |
|---|---|---|---|
| 解体工事業者登録票 | 解体工事業の登録を受けた業者(500万円未満の解体を請ける業者) | 商号・名称、登録番号、法人なら代表者の氏名、登録年月日、技術管理者の氏名(現場ではその現場の技術管理者) | 縦25cm以上×横35cm以上(別記様式第7号) |
| 建設業の許可票 | 建設業の許可を受けた業者(発注者から直接請け負った現場) | 一般建設業か特定建設業か、許可年月日・許可番号・許可を受けた建設業、商号・名称、代表者の氏名、主任技術者または監理技術者の氏名 | 縦25cm以上×横35cm以上(別記様式第29号) |
| 石綿(アスベスト)の事前調査結果 | 解体工事の元請業者(自分で工事する人は本人) | 元請業者の氏名・名称と住所、法人なら代表者の氏名、事前調査を終えた年月日、調査の方法、石綿を含む建材を除去する工事ならその建材の種類、調査の結果 | A3(42.0cm×29.7cm)以上の掲示板 |
どれも「公衆の見やすい場所」に掲げる決まりです。
「登録票」と「許可票」はどちらか一方のことがある
解体工事は、請負金額が500万円未満なら解体工事業の登録、500万円以上なら建設業の許可(解体工事業など)が要ります。建設業の許可(土木工事業・建築工事業・解体工事業)を持っている業者は解体工事業の登録が要らないので、現場に登録票がなく、建設業の許可票だけが掲げられていることがあります。どちらか一方があれば、法律に沿った表示です。登録と許可の違いは解体工事業の登録とはにまとめています。
掲げないとどうなるか
- 解体工事業者が登録票を掲げない:10万円以下の過料(建設リサイクル法53条)
- 建設業者が許可票を掲げない:10万円以下の過料(建設業法55条)
- 石綿の事前調査の結果は、工事の現場で公衆に見やすいように掲示しなければならない(大気汚染防止法18条の15第5項)
看板がない現場を見かけたら
近所で看板のない解体工事が始まって不安なときは、次の順で確かめてください。
- まず工事の関係者に聞く:業者名と登録番号(または許可番号)を尋ねる。看板を出し忘れているだけのこともある
- 登録・許可を調べる:業者名が分かれば、福岡県の解体工事業者登録名簿(当サイトの福岡県の解体業者一覧でも登録番号と有効期限を載せています)や、国土交通省の建設業者検索で確かめられる
- 相談先:登録の業者なら登録をした県(福岡県の登録は県土整備事務所の建築指導課が窓口)、許可の業者なら許可をした行政庁、石綿の掲示は県や市の大気汚染防止法の担当課、騒音・振動は市町村の環境の担当課
騒音・振動やほこりで困っているときの基準と相談先は、隣の解体工事がうるさい・揺れるときにまとめています。
「解体工事のお知らせ」の看板は?
工事の期間や連絡先を近所に知らせる「お知らせ」の看板やチラシは、上の3つとは違い、国の法律で様式が決まっているものではありません(自治体によっては条例や要綱で事前の周知を求めているところがあります)。書くとよい項目は近所への配慮とお知らせを参考にしてください。
施主が確かめておくこと
解体を頼んだら、工事が始まる前に「現場に登録票(または許可票)と石綿の掲示を出してもらえるか」を業者に確かめておくと安心です。業者選びのときは、登録番号と有効期限を見て、見積書・契約書で確かめることもあわせて確認してください。
出どころ:建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律 第33条・第53条、解体工事業に係る登録等に関する省令 第8条、建設業法 第40条・第55条、建設業法施行規則 第25条、大気汚染防止法 第18条の15、大気汚染防止法施行規則 第16条の9・第16条の10(いずれも e-Gov 法令検索)。標識の大きさは島根県「解体工事業者の責務(標識および帳簿について)」、鹿児島県出水市「工事現場に掲げる標識類について」の案内によります。当サイトが2026年9月27日に確認しました。