北九州市の解体補助金「老朽空き家等除却促進事業」の使い方:判定申出から30万円を受け取るまで(2026年度)

費用・補助金

北九州市には、古い空き家の解体に費用の3分の1・上限30万円を出す「老朽空き家等除却促進事業」があります。ただし、この補助金は壊す前に市の「判定」を受けていないと1円も出ません。見積もりを取って契約し、工事が始まってから「補助金があるらしい」と気づいても間に合いません。北九州市の公式ページ(2026年6月10日更新)をもとに、令和8年度(2026年度)の中身と手順を最初から最後まで整理します。

制度の骨子

項目 内容
制度の名前 北九州市 老朽空き家等除却促進事業
申請できる人 老朽空き家の所有者かその相続人、またはその同意を得た人
対象になる空き家 昭和56年(1981年)5月以前に建てられた空き家で、市の判定で「市場流通が困難」かつ「一定の危険度がある」とされたもの
補助額 「解体の契約金額」と「市の基準額」の低いほうの3分の1以内
上限 1棟あたり30万円
令和8年度の受付 2026年4月20日から。判定依頼申出書は12月21日、補助金交付申請書は12月28日が締切(予算枠に達した時点で終了)
業者の指定 なし(「市内の業者に頼むこと」という条件は書かれていません)

いくらもらえるか:計算のしかた

補助額は、次の2つを比べて低いほうの3分の1です。

  1. 除却に要した額:解体業者との契約金額。税抜きで、家財道具の処分費などは除く
  2. 市が定める基準額:面積基準単価 × 延床面積(課税床面積)。単価は重機解体 15,000円/㎡、手壊し解体 24,000円/㎡

たとえば延床面積80㎡(約24坪)の木造で、重機が入る現場なら、基準額は 80㎡ × 15,000円 = 120万円。業者との契約が税抜き100万円なら、低いほうは100万円で、その3分の1は約33万円。上限があるので30万円になります。

逆に言うと、契約金額(税抜き)が90万円を超えていれば、ほとんどの場合は上限の30万円に届きます。一般的な戸建ての解体は100万円を超えることが多いので、実際の受け取り額は「30万円」と考えておけば大きくは外れません。ただし延床面積が小さい場合や、契約額が90万円を下回る場合は、3分の1の計算で30万円より少なくなります。

この面積基準単価は、当サイトの解体費用シミュレーターと坪数別の費用早見表で使っている単価と同じものです。

いちばん大事なこと:壊す前に「判定」を受ける

この制度は、申請の前に「判定依頼申出書」を出して、市に空き家を判定してもらうところから始まります。市が見るのは2つです。

判定 市が見る項目の例
市場での流通可能性 建築基準法上の道路に接していないなどで再建築ができない、階段でしか行けない敷地である、敷地内の土間に地盤沈下が見える、など
危険度 基礎の相当部分が破断・数か所破損している、屋根に剥落・ずれ・変形がある、など

「市場流通が困難」かつ「一定の危険度がある」と判定された場合だけ、補助金の申請に進めます。つまり、売れる見込みのある家や、まだしっかりしている家は対象になりません。判定で対象外になった場合、市は空き家の流通や活用の支援をする、とされています(この場合は補助金の申請はできません)。

令和8年度からの注意点として、過去の年度に判定を受けた人も、改めて判定依頼申出書の提出が必要です。

手続きの流れ:判定から補助金の受け取りまで

  1. 判定依頼申出:様式第1号に、位置図・空き家の外観写真(建物の全景と前面道路の状況が分かるもの)・固定資産税の納税通知書のコピー(表紙と課税明細書)などを付けて出します。借地なら借地契約書のコピーも要ります。窓口(本庁舎13階 空き家活用推進課)・郵送・電子申出のどれでも出せます
  2. 判定結果の通知:市が現況をもとに判定し、結果を通知します。書類に不備があると受け付けてもらえません
  3. 補助金交付申請:「補助対象」の通知を受けた場合のみ。通知を受けた年度のうちに申請します。申請を受けた市は、申請者と解体業者について県警に暴力団排除の照会をしたうえで審査し、「補助金交付決定通知書」を郵送します
  4. 解体工事の着手:交付決定通知書を受け取ってから着工します。先に着工した場合、補助金は出ません
  5. 変更が出たら事前に連絡:業者の変更や契約金額の増減があるときは、工事の前に必ず市に連絡します。手続きをせずに工事をすると補助金は出ません
  6. 完了報告:工事完了の翌日から20日以内、またはその年度の2月10日の、どちらか早い日までに「除却完了報告書」を出します。審査後に「補助金額確定通知書」が届きます
  7. 補助金の請求:確定通知書を受け取ったら速やかに請求書を出します。3月10日までに請求が終わらないと出ません。業者に工事費を払った領収書が必要で、振込先は申請者本人の口座に限られます

年度の後半になるほど、予算枠と締切の両方が迫ります。予算枠に近づくと、危険度の高いものから月単位で優先して交付される、とされています。春から夏のうちに判定依頼を出しておくのが確実です。

手持ちのお金が少なくてすむ「代理受領制度」

補助金は原則として、工事費を全額払ったあとに受け取ります。そこで、解体業者が申請者の委任を受けて補助金を代わりに受け取る「代理受領制度」があります。これを使うと、申請者は工事費と補助金の差額だけを用意すればよくなります。申請者と業者の両方が合意し、所定の書類を出す必要があるので、業者に相談してみてください。

業者選びとの関係

この制度には、「市内の業者に頼むこと」という条件はありません(福岡県内の他の市町村には、市内業者に限る制度が14あります → 福岡県の解体の補助金一覧)。ただし、手順の関係で次の順番になります。

当サイトでは、福岡県の解体工事業者登録名簿をもとに、北九州市に営業所がある解体業者を登録番号つきで載せています。各社のページに「北九州市の解体の補助金」の欄があり、ここで説明した制度につながっています。

問い合わせ先

北九州市 都市戦略局 空き家活用推進課(北九州市小倉北区城内1番1号 本庁舎13階)、電話 093-582-2777。制度のパンフレット・要綱・Q&A・各様式は、市の公式ページからダウンロードできます。

国と福岡県内の自治体が公表している1㎡あたりの単価(木造・非木造)は、解体工事の単価表にまとめて並べています。

出どころ:北九州市「老朽空き家等除却促進事業」(ページ番号 000017811、2026年6月10日更新)。当サイトが2026年9月25日に確認しました。金額・締切・条件は年度ごとに変わります。申請の前に必ず市の公式ページと窓口で最新の内容を確かめてください。

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