久留米市には、古い空き家の解体に費用の2分の1・上限65万円を出す「老朽危険空家等除却促進事業」があります。福岡県内の32の制度の中でも上限が高いほうで(県内の一覧で見ると、市の制度では最高額です)、そのかわり「市内の業者に頼むこと」が条件になっています。市の公式ページ(2026年6月29日更新)、令和8年度の募集要領、市が公開している「解体見積り事業者リスト」(令和8年6月24日作成)をもとに、中身と手順を整理します。
制度の骨子(令和8年度)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度の名前 | 久留米市 老朽危険空家等除却促進事業 |
| 対象になる建物 | 次のすべてを満たすもの:市内にある木造の建物/同じ敷地の中で使われていないもの/危険度判定で基準を満たすもの/市内業者に発注する予定で、契約も着工もまだのもの |
| 申請できる人 | その空き家の所有者か相続人、またはその同意を得た人 |
| 補助額 | 除却工事費の2分の1、上限65万円 |
| 補助の対象にならない費用 | 家財道具の処分、樹木や塀の撤去など、家屋の除却以外の費用 |
| 申請期間 | 2026年4月21日〜2027年1月29日(8時30分〜17時15分)。予算に達した時点で受付終了 |
| 工事の期限 | 2027年2月26日までに工事を終えて完了報告を出せること |
| 業者の指定 | 市内業者(リストに載っていない業者でも、市内に営業所等があり、解体に必要な資格を持っていれば要件を満たす) |
たとえば税抜きで120万円の解体なら半分の60万円、140万円なら70万円ですが上限の65万円。家財の処分や庭木・ブロック塀の撤去は見積もりに入っていても補助の計算からは外れるので、見積書で「家屋の解体」の部分がいくらかを分けてもらうと、補助額の見当がつきます。
「市内業者」の条件と、市の「解体見積り事業者リスト」
市は、解体の費用を知りたい人向けに「解体見積り事業者リスト」を公開しています(令和8年6月24日作成、26社)。リストに載っている業者は、市が解体の許可・登録を確認済みで、無料で見積もりを作ること、施工業者に決まった場合は補助金の申請に要る書類(危険度事前判定表・面積図・写真)の作成に協力することを条件に登録されています。
大事なのは、リストは「この中から選ばなければならない」という意味ではないことです。市のページには「リストに掲載されていない事業者でも、市内に営業所等があり、解体に必要な資格を保有している事業者であれば、補助金申請の要件は満たします」と書かれています。ただし、業者との契約やトラブルに市は関与しない、とも明記されています。
市のリスト26社を、県の名簿と突き合わせた
当サイトは、福岡県の解体工事業者登録名簿(500万円未満の解体を請ける会社の登録)をもとに業者を載せています。市のリスト26社を、その名簿と国土交通省の建設業許可(解体工事業)のデータと突き合わせると、次のようになりました。
| 市のリスト26社の内訳 | 社数 |
|---|---|
| 県の解体工事業登録がある(当サイトに掲載) | 6社 |
| 建設業許可(解体工事業)で解体する会社 | 19社 |
| 当サイトではどちらも確かめられなかった | 1社 |
登録名簿に載っている6社は、榮産業、クルーズエステート、阿部商店、昇工業、竜建工業、MASAシステムです(阿部商店は建設業許可も持っています)。残りの19社は、500万円以上の工事を請けられる建設業許可(解体工事業)のほうで解体をしている会社で、県の登録名簿には載りません。
逆に、県の名簿で久留米市に営業所がある解体業者は18社あり、そのうち市のリストに載っているのは上の6社です。リストに無い12社も、市内に営業所があって登録が有効なら、制度の「市内業者」の要件は満たします(最終的には市の窓口で確かめてください)。
手続きの流れ
- 事前相談:予算に限りがあるので、市は事前の相談を求めています(都市建設部 住宅政策課、電話 0942-30-9139)
- 危険度事前判定:市の「危険度事前判定表」で、はりの腐朽、屋根ふき材の剥落、外壁の下地の露出などを見ます。リストの業者はこの判定表の作成に協力することになっています
- 交付申請:申請書と添付書類を住宅政策課(市役所13階)へ
- 審査・交付決定:却下の通知を受けた場合は補助はありません
- 契約・工事:交付決定の前に契約や着工をすると補助は受けられません
- 完了報告:2027年2月26日まで
- 補助金額の確定 → 請求 → 支払い
このほか、同じ敷地で過去にこの補助を使っていると対象外、期日までに報告書類を出さないと対象外、とされています。
市の「解体工事に向けた注意点」で押さえるべきこと
市はリーフレット「解体工事に向けた注意点」も公開しています。当サイトの立場からも大事なところを抜き出します。
- 許可の確認:見積もりの前に、解体の許可を持っているか確かめる。金額によらず必要で、「建設業の許可(土木・建築・解体)」か「解体工事業の登録(工事場所の都道府県)」のどちらか。当サイトの業者ページは、この登録番号と許可番号を載せています → 登録の確かめ方
- 契約は書面:解体工事は契約事項を書面で交付するよう定められている。工事の概要・費用・工期・支払い方法を再確認する → 建設リサイクル法の説明と届出
- 家財は着工前に:家財道具(一般廃棄物)の処分は工事の前に済ませておく。自分でできなければ、一般廃棄物の運搬許可(解体の許可とは別)を持つ業者へ
- 相続の整理は早めに:名義が亡くなった人のままなら、相続人で話をまとめる。売却には相続登記が要る
- 跡地を売るなら:先に不動産事業者へ相談。建物付きで売る(買主が解体する)ほうが手続きが簡単なこともある
着工前には、この補助金のほかに石綿(アスベスト)の事前調査と、80㎡以上の解体なら建設リサイクル法の届出(着工7日前まで)も要ります。
問い合わせ先
久留米市 都市建設部 住宅政策課(市役所13階)、電話 0942-30-9139、FAX 0942-30-9743。申請書類・危険度事前判定表・見積り事業者リストは、市の公式ページ「老朽化した危険な空き家の解体補助金」からダウンロードできます。
出どころ:久留米市「老朽化した危険な空き家の解体補助金」(2026年6月29日更新)、同「R8年度 募集要領」、同「解体見積り事業者リスト」(令和8年6月24日作成)、同「解体工事に向けた注意点」。登録の有無は福岡県「解体工事業者一覧」(令和7年3月末現在)、許可の有無は国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で、当サイトが2026年9月25日に確認しました。金額・期間・条件は年度ごとに変わります。申請の前に必ず市の公式ページと窓口で最新の内容を確かめてください。