解体工事の届出|建設リサイクル法は施主の義務(着工7日前)、80㎡未満でも要る手続き

業者の選び方

家を解体するとき、役所への届出は「解体業者」ではなく「施主(発注者)」の義務です。建設リサイクル法という法律で決まっています。業者が代わりに出してくれることも多いのですが、法律上の責任は施主にあります。知らずに放っておくと、工事が止まります。

届出が要るのは「解体80平方メートル以上」

コンクリート・木材・アスファルトコンクリートなどが使われている建物で、次の規模の工事が対象です。

工事の種類 規模
建築物の解体 床面積の合計 80平方メートル以上
建築物の新築・増築 床面積の合計 500平方メートル以上
建築物の修繕・模様替え(リフォームなど) 請負代金 1億円以上
建築物以外の工作物(土木工事など) 請負代金 500万円以上

80平方メートルは約24坪です。一般的な戸建ての解体は、ほぼこれに当てはまります。なお石綿(アスベスト)の事前調査の報告も同じ80平方メートルが境目ですが、別の制度で、届け出る先も届け出る人も違います。両方の手続きが必要です。

80㎡未満なら届出は不要? ほかに要る手続き

建設リサイクル法の届出は、床面積の合計が80㎡以上の解体だけが対象です。80㎡未満(物置や小さな離れなど)なら、この届出は要りません。ただし、次の手続きは別の法律で決まっていて、「届出不要」と言われてもこちらまで不要になるわけではありません。

手続き 対象 誰が 根拠
建築物除却届 床面積の合計が10㎡を超える建物の除却 除却工事を施工する者(解体業者) 建築基準法15条。建築主事等を経由して都道府県知事へ
石綿の事前調査 大きさに関係なく建物の解体・改修(結果の報告は解体80㎡以上) 元請業者(費用は発注者が負担) 大気汚染防止法18条の15
建物滅失登記 登記されている建物を壊したとき 建物の所有者 不動産登記法57条。滅失の日から1か月以内。怠ると10万円以下の過料の対象(164条)
騒音・振動の届出 指定地域で、ブレーカーなどの特定建設作業をするとき 施工する者(解体業者) 騒音規制法14条・振動規制法14条。作業開始の7日前まで

このうち施主(所有者)が自分でするのは滅失登記です。解体業者から「取壊し証明書」などの書類をもらって、法務局に申請します(手順と福岡県内の提出先は建物滅失登記の手順と必要書類)。近所で解体工事が始まって騒音や振動が気になるときは、隣の解体工事がうるさい・揺れるときもご覧ください。

手続きの流れ:説明 → 契約 → 届出 → 完了報告

  1. 説明(業者 → 施主):解体業者は、分別解体の計画などについて書面を交付して説明しなければなりません。口頭だけは法律違反です
  2. 契約:契約書に分別解体のことを明記する必要があります
  3. 届出(施主 → 知事):工事に着手する日の7日前までに届け出ます
  4. 完了報告(業者 → 施主):リサイクルが終わったら書面で報告し、実施状況の記録を作って保存します

つまり「書面での説明」と「書面での完了報告」は、施主が受け取るのが当たり前のものです。もらえていなければ、その場で求めてください。

福岡県での提出先

福岡県では、届出は県土整備事務所の建築指導課(または用地課)に出します。ただし北九州市・福岡市・大牟田市・久留米市の区域内は、それぞれの市の担当部局が窓口です。

業者が代理で出すこともできます。その場合は委任状が要ります。「代行してもらえますか」と聞くときは、委任状のやりとりもセットだと思っておいてください。

着工前にやることが3つ重なる

解体は「壊し始める前」にやることが多く、ここでつまずくと着工が遅れます。福岡県内で家を解体する場合、次の3つがすべて着工前です。

やること いつまで 誰が
建設リサイクル法の届出 着工の7日前まで 施主(業者が代理可・委任状)
石綿(アスベスト)の事前調査と報告 着工前(吹き付け石綿の除去は14日前までに労基署へ届出) 元請の解体業者
解体の補助金の申請 契約・着工の前(交付決定より前に着工すると対象外) 施主

いちばん厳しいのは補助金です。当サイトが2026年9月24日に調べた県内32市町村は、全部が「着工前の申請」を条件にしていました。契約してしまってから気づくと、補助はもう受けられません。福岡県の解体の補助金一覧で、お住まいの市町村を先に確かめてください。

解体業者選びとの関係

この届出を代行してくれるかどうかは、業者によって違います。当サイトは業者ページに「建設リサイクル法の届出代行」の欄を設けていますが、公式サイトにこのことを書いている会社はほとんどありません(292社を調べて0社でした)。見積もりのときに直接聞いてください。

なお、解体工事業の登録制度そのものが、この建設リサイクル法にもとづく制度です。500万円未満の解体工事をするには、都道府県知事への登録が要ります。福岡県の解体業者一覧では、その登録番号と有効期限を1社ずつ載せています。確かめ方は登録の確かめ方の記事にまとめました。

契約書には、この法律で「解体工事の費用」と「再資源化の費用」を分けて書くことになっています。見積書・契約書で確かめることはこちら。

解体の前後に施主がする手続き(電気・ガス・電話・水道の止め方を含む)は、家を解体するときの手続き一覧に順番にまとめています。

出どころ:国土交通省「建設リサイクル法の対象となる建設工事では届出が必要です!」(発注者向け資料)、環境省「建設リサイクル法の概要」、福岡県「建設リサイクル法第10条の届出及び第11条の通知について」。当サイトが2026年9月24日に確認しました。市町村の補助金の条件は、当サイトが同日に32市町村の公式ページで確認したものです。

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